フランスでは毎年9月の第三週末に Journées du Patrimoins(文化遺産の日)があります。
今年は9月20、21日にあった「文化遺産の日」、パリ市内の高等学校に行ってみました。
「文化遺産の日 Journées du Patrimoins」とは
「文化遺産の日」の土日には、歴史的建造物や文化施設などが一般に無料もしくは割引き公開されます。
正式には Journées Européennes du Patrimoins(ヨーロッパ文化遺産の日)という名前で、フランスだけでなく欧州の多数の国で行われているそうです。
普段なかなか入れない建物にも入れるということで、大統領官邸などは特に人気。今年も予約がすぐにいっぱいになったとか…。
私は今回、パリ17区にある Lycée Carnot(カルノー高校)を見学することにしました。
Lycée Carnot(カルノー高校)を見学


中学と高校が一体になっている学校で、ごく普通の公立学校。
卒業生にシラク元大統領、有名コメディアンのアン・ロマノフ、ミュージシャンの Daft-Punk のお二人などをはじめとした多数の著名人がいることや、その建築・歴史にストーリーのある学校です。
エッフェル・ホール
学校の中心部にある鉄骨建築はエッフェル塔を建てたギュスターヴ・エッフェル氏の設計で、エッフェル・ホールなどと呼ばれていたそうです。
1877年に建てられたこのホールはガラス張りの天井を持つ鉄骨建築で、1900年のパリ万博のために建てられたグラン・パレの雰囲気と似ています。

広々としたエッフェル・ホールはファッションショーの舞台としても利用されているそうです。
( Kenzo, Issey Miyake, Paul Smith, Givenchy など )
それだけでなく、この学校の内部は、フランスの小さな子どもたちに大人気のアニメ「ミラキュラス レディバグ&シャノワール」の主人公(マリネット)たちが通う学校のモデルなのです!
さて、マリネットの学校とどのくらい似ているのでしょうか…?


1階と2階にずらっと並ぶ窓は教室の窓です。
アニメの中でも、ホールから階段を上がって2階の教室に行くシーンがよく登場しますね。
(娘が小学生の頃に、私も一緒に観てました!)
高校の物理教室

ここは昔の雰囲気を保っている数少ない教室で、この日の見学ルートに入っていました。
マリネットの教室もこのような階段教室で、二人掛けの机でしたよね。
木製の古い机には、細い溝や小さな丸い穴が開いています。
丸い穴はインクの容器を差し込む場所。細い溝はつけペンを置く場所です。



他の教室は現代の仕様になっており、床も平ら。
ホワイトボードの左脇には、数字が大きく書かれた黒いポケットがたくさん付いたものが掛けられています。
これはフランスの中・高で今年度から教室へのスマホ持ち込みが禁止になったことにより、新たに設置されたもの。
高校生の娘によると、「各授業でクラスに入った時に、数字が書かれたポケットにスマホを入れる」のだそう。
フランスは日本の学校とは違い、中学以降は自分のホーム教室がありません。自分の荷物を全部持って、毎時間、それぞれの授業の先生がいる教室に生徒が移動します。(まるで大学みたいです。)
自分の机とロッカーが教室にあるわけでは無いので、スマホの一時保管場所としてこのポケットが設置されたようです。
クーベルタン男爵による体育の授業
Lycée Carnot(カルノー高校)の前身である Lycée Monge(モンジュ高校)は1880年代後半頃、イギリスに倣ってフランスの学校教育にもスポーツを取り入れようというクーベルタン男爵(近代五輪の祖)の考えに賛同し、さまざまな種類のスポーツを授業に取り入れるという、当時のフランスとしては革新的な学校だったそうです。
アニメ「ミラキュラス」の中で、シャノワールのアドリアンはフェンシングをしていますよね。
じつはこのアイデアも、ここ Lycée Carnot(カルノー高校)でかつて実際にフェンシングが行われていたことから来たようです。
カルノー高校の前身である Lycée Monge(モンジュ高校)の地下には体育館とフェンシング場があり、そこでフェンシングが行われていました。
クーベルタン男爵も実際に体育を教えていたそうです。

カルノー高校の見学ルートには学校の歴史を解説したビデオの鑑賞が含まれており、以上のような内容に加えてレジスタンスの話などもありました。
エッフェル・ホールには学校の歴史や関係者著名人が多数のパネルで紹介されていました。
私にとってはアニメの印象が強かった学校ですが、実際に足を運んでみると、美しい鉄骨建築や古い階段教室が今でも使われていることに驚きました。
学校なので普段は関係者以外は立ち入ることができませんが、こうして文化遺産の日に中に入ることができ、良い体験となりました。
この機会を逃してしまった方は、来年は「文化遺産の日」の一般公開施設リストを事前に確認して、普段なかなか入れない珍しい場所を訪れてみてはいかがでしょうか。

🇫🇷 パリ Paris
とんからりんで主に制作のほうをやってます。
ストレスには弱い方で、人前に出るのが大の苦手。
家族とのんびり過ごす時間が好きです。