とんからりん は、パリのピチエ・サルペトリエール病院で「はたおりアトリエ」活動を行っています。
小児精神科病棟で行うこのアトリエは、毎回子どもたちに大人気なんです。
今回は織り布でお寿司を作ったお話です。 



目玉のサンプルをたくさん準備

先週のアトリエで大成功だった、人形の目や口のサンプル。
その場で作るのはちょっと大変なので、事前にたくさん作って用意しておくことにしました。
テレビを観ながらこんなに沢山作りましたよ!
これで、たくさん目玉を付けたいという子がいても大丈夫!

病院はたおりアトリエの人形作りで使うための、顔のパーツのサンプル。
フェルトを切って作ったパーツや、市販の動く目玉

 

お寿司を作りたい!

織り布で作ったサーモンのお寿司

この日は、2週間ぶりにアトリエに参加した子がいました。
「何を作る?」と聞くと、「スシ(寿司)を作る!」と。
じゃあサーモンの乗ってる握り寿司を作ろうかということになりました。
(フランスではサーモンのお寿司は定番中の定番です。)

まずシャリの部分を白い毛糸で織り始めたんですが、数段でくじけそうになっていました…
それで、「あと2倍がんばらないとシャリができないよ~」と言うと、ちゃんと織りました。(立体にするためには、布の長さが必要なのです。)
その後で彼が「綿を詰めたい」と言ったので、織った布の端に出ているタテ糸を結んで筒状にして、中に自分で綿を詰めていました。
そしてサーモンに見立てたフェルトや目と口をつけて、大満足!
彼はいつも最後まで頑張れなくて、前に作ったトラも顔が無かったのですが、今回はしっかり最後までやり遂げられて良かったです。

 

私も!

それを見ていた子が、彼の真似をしてスシを作り始めました。
本当は人形のコパン(友達)を作ると言っていたんですけどね。
2人とも日本食が大好きで、おむすびや巻き寿司のことも知っていました。
「黒いノリで巻くんだよね~」って言っていました。
次はおむすびも作りたいと言っていたので、海苔になる黒いフェルトを探そうかな。

お寿司に顔をつけている様子
「できた~!」

 

ファッションモデルみたいなポーズをする女の子は、今日私たちが行くと抱きついてきました。(かわいいですね♡)
今日は何を作る?と聞くと、「オオカミ!」って。
先週作ったじゃない?と言うと、先週のはライオンだったそうです…
(当方の聞き間違いにより、前回の記事が間違っていたことをお詫びします…記事は訂正しました!)

オオカミ


“本日の目玉”

織った布を首に巻いたぬいぐるみ。
顔には動く目玉が10個ついている。

先週目玉をたくさん貼り付けていた子は、今週も目玉が大好きで、はりきってぺたぺた貼っていました。
顔中が目玉だらけになりましたね!!
でも、興味があるのはくるくる動く目玉だけのようでした。


ハートのキーホルダー

以前織った布をボランティアスタッフがハート型に手縫いして、キーホルダーに加工しました。
かわいいのができましたね!

お寿司もハートも、人形と一緒にベッドに入ってます。

人形とともに、人形のベッドに寝かされたお寿司とハートのキーホルダー。
淡いブルーやグリーンの色の、ハート型のキーホルダー。
アトリエで織った布をスタッフが手縫いで仕上げました。
スタッフ手縫いのキーホルダー
フラミンゴ

もう一人、動く目玉が好きな子がいるのですが、彼は今回はフラミンゴを作っていました。糸を選ぶ時から、ちゃんと淡いピンク色の毛糸を選んでいました。
クチバシを付けたいと言っていたのですが、簡単では無かったからか、結局オレンジ色のポンポンを付けていました。

そして、目を付けようと思ったら、動く目玉を他の子が全部使ってしまっていて…
サンプルに貼ってあったのを剥がして使うことにしました。
やっぱり動く目玉が好きなんですね。

この日のアトリエには、普段学校などでは問題行動を起こす子も参加していましたが、機織りには集中して取り組んでいました。
ここは小児精神科病棟なので、どの子もそれぞれに何かしらを抱えています。
なかなか落ち着いて座っていられない子もいますが、多くの場合、制作に夢中になって、集中して織っています。
機織りセラピー(?)の力はすごいですね。
 

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